当科の特色
我が国における消化器内視鏡診断・治療学の草分けである常岡健二元学長の就任後、68年には新しい治療として内視鏡的胃ポリープ切除術を行うなど、消化器病学の進歩に貢献してきた伝統ある消化器内科です。患者さんの立場に立った心の通った医療を理念とし、食道、胃十二指腸、小腸・大腸、肝臓・胆嚢・膵臓の 4部門が個々の外科、放射線科、病理部との密に連携し、集学的診療を目指しています。また、内視鏡センターに常勤医を配置しているため、重症消化管出血患者さんに対して迅速な対応が可能です。当科では多くの消化器疾患の診療を担当していますが、その中でも各診療グループの特筆すべき部分をご紹介いたします。
食道グループの特長は新しい21チャンネル高解像度食道内圧測定器を用いた胸やけ、嚥下困難を主症状とする食道運動機能能異常の診断が可能なことです。また食道アカラシアに対するバルーン噴門部拡張術を積極的に実施しています。
胃十二指腸グループでは胃がんに対する内視鏡的胃粘膜一括切除術(ESD)を積極的に行っており、2025年は約100例に実施しました。外科的手術不能例には、化学療法チームが病態、患者さんの状態に合わせた治療を行っています。また、ヘリコバクターピロリ菌感染症例に対する除菌療法を積極的に導入しており、除菌失敗例に対する二次除菌も約80%の高い奏功率を得ています。
小腸・大腸グループではダブルバルーン小腸内視鏡を使用した検査及び処置を年間250例前後施行しており、小腸疾患に関してはカプセル内視鏡検査との併用で、診断困難な消化管出血・小腸病変の診断治療に画期的な成果をあげています。また、潰瘍性大腸炎、クローン病など炎症性腸疾患については、生物学的製剤をはじめとする最新の治療を用いて軽症から重症まで幅広い診療を行っております。大腸腫瘍に関しては、早期大腸癌に対する内視鏡切除、閉塞性大腸癌に対する消化管ステント治療、切除不能進行大腸癌に対する化学療法など、外科と連携しながら多くの患者さんに柔軟に対応できる体制となっております。
肝疾患
B型およびC型慢性肝炎に対し、診療ガイドラインに基づいた薬物療法を行っています。C型肝炎では主に内服薬による治療を行い、治療後も肝がんの早期発見を目的とした定期的な画像検査や血液検査による経過観察を継続しています。B型肝炎に対しても長期的な管理を行い、病状の変化に応じた治療と経過観察を行っています。重症急性肝炎や肝不全に対しては、集中治療室や関連診療科と連携しながら全身管理を行う体制を整えています。肝細胞癌の診療では、病期や肝機能を考慮し、外科および放射線科と連携しながら治療方針を検討しています。ラジオ波焼灼療法(RFA)や肝動脈化学塞栓療法(TACE)などの局所治療に加え、切除が難しい症例では免疫療法を含む全身薬物療法を行っています。
道・膵臓疾患
胆道・膵臓疾患に対しては、内視鏡的逆行性胆管膵管造影(ERCP)や超音波内視鏡検査(EUS)を用いた診断・治療を行っています。胆管結石や胆管狭窄、閉塞性黄疸などに対し、状態に応じた内視鏡治療を実施しています。急性胆管炎や胆嚢炎などの緊急性の高い疾患にも対応しており、胆管や膵管の閉塞に対するドレナージやステント留置などにより、速やかな症状改善を図っています。腫瘍性疾患の診断では、超音波内視鏡下組織採取(EUS-TA)による組織検査を行い、的確な診断につなげています。また、必要に応じてEUSガイド下ドレナージなどの内視鏡治療にも対応しています。胆道がんや膵がんについては、外科・放射線科と連携しながら治療方針を検討し、診断から治療、経過観察まで一貫した診療を行っています。



